さて、3月13日に約二年ぶりとなる私立恵比寿中学の5thフルアルバム「MUSiC」がはつばむ発売されましたので、ブログ書きのリハビリがてらレビューしていきたいと思います。
普通こういうレビューは発売直後に書かなきゃ意味がないんだけれどまあどうでもいいんだそんなの。
今回実は買ってません。というのもサブスク(Google play music)で聴けちゃう時代になってしまいましたのでね。
いいのかな。運営にお金入ってるんだろうかという心配もあるんだけれども、悪いことして聴いてるわけでもないので何とも微妙な立場ではあります。
おまけディスクは欲しいので今後買うかもしれませんけども(新品で)。
結構な自信に満ちたコピーです。アルバムタイトルにmusicってつけるのは自信なのか開き直りなのかよくわからないけれど、メジャー1stから3rdまでが左右対称の二文字縛り(「中人」「金八」「穴空」)、4thが対象と大正をかけてるのかないのか大正デモクラシー的なビジュアルイメージで「エビクラシー」だったことを踏まえると、これまでの流れを断ち切ったタイトルとも言えます。
エビ中のコンセプトはブレブレの歴史があるけれど、結果的には音楽性の高い楽曲と歌唱力という点に集約されたので、10周年を飾るアルバムのタイトルとしては良い落としどころなんではないでしょうかね。
ここ最近あんまりエビ中追えてなかったので事前情報が少ない状態で聴いています。youtubeに公式が上げたものは大体見てたけどね。
ということで全曲レビューはじまり。
何だこの化粧。特にヤス。
作詞・作曲:岡崎体育、編曲:岡崎体育、野村陽一郎
アルバム冒頭を飾るリード曲。
シリアスな導入から一転バカなラップ調、二分あたりからようやく本編開始。メドレーのような構成。
これまでのアルバムにあったインタールード的な要素もあったり、今のエビ中のアンセムっぽい雰囲気もあったりしてなかなかによく出来てる。
メンバーの個性に寄せて作られてて、歌詞に名前が入ってたり(シミュレーションじゃなくてシュミレーションじゃないとミレイにならないのな)、曲とメンバーの距離が近く感じる。それってこれまで前山田健一が担ってた部分だと思うんだよね。そうそう今回は前山田が参加してない。
岡崎体育は相変わらず英語の発音にうるさいようです。
ブヒブヒ泣いてみろオラぁ。星名さん細すぎて心配なので少し太ってください。
FAMIEN’18 e.p.収録曲。
アッパーなロックチューン。なんとなくイントロで相川七瀬を思い出しちゃう世代。
詞の内容は反抗期の中学生というかDon’t trust over thirty的なものなんだろうけれど、星名の諸々の件があってどうしても穿った見方をしてしまう。全然いいけどね。
男遊びも芸の肥やしだと僕は思うのです。
ライブで跳ねる感じ。
先行配信曲。人気ぶいちゅーばーの東雲めぐとのコラボ。だそうです。よく知らない。しののめでいいのかな。
福岡の現役高校生の曲だそうです。すっごいインディースっぽい雰囲気。
あんまりライブで盛り上がる感じはしないけれど、ライブで盛り上がるかどうかという評価軸がもうナンセンスなのかもしれない。
何とも形容しがたいアレンジ。ダブっぽい音が入ってたりして不思議な感じ。チープなループ音が結構癖になる。
ボーカルにエフェクトつけてるからだけど、誰の声だかわからない箇所がある。
歌詞は何言ってるのか全然頭に入ってこないなあ。
最初聴いたときは何だこれって感じだったけど、繰り返してるうちに気持ちよくなってきた。俺的ROBOCK枠。
吉澤嘉代子のウェットな女の情念みたいものって今のエビ中によく合う気がするんだよね。
年齢が上がってきたから歌える曲というか、特に背伸びもなくこういう世界観にエビ中が溶け込めるようになった。(なってしまった!)
吉沢嘉代子がこれまでエビ中に提供した2曲「面皰」と「日記」はどちらともどこかノスタルジーさを纏った柔らかく暖かい雰囲気があったけれど、「曇天」は少女を通り過ぎた後に訪れる得体の知れぬ残酷さみたいなものがヒリヒリとしている。
「私を映さない/あなたをずっと/見ないようにしてたのにな」での中山莉子の成長が著しいですね。
MVの空気感がよいです。今のご時世たばこを男の象徴として演出に使うのってなんか新鮮だったりする。ヴェルヴェットアンダーグラウンドのポスター、純粋で退屈な映画、雑魚寝、なんかそういうのが刺さる。大学の時ってこうだったなって。
これも先行配信されてた曲。
シングル曲。どうしてこれをシングルで切ろうと思ったのかって既にさんざん言われてるのであえて言わないけれど、例えば「曇天」みたいな曲をシングル切る勇気は運営にはないのかなって思う。曲自体は嫌いではない。
まあ最近はバカっぽい曲が少ないので貴重ではある。どんてんの後だからでかどんでん?
山本リンダのもうどうにもとまらないみたいな歌いだし聴くたびにボイトレの先生の顔を思い出す。
MVに渡辺直美が出たのって、柏木から貰ったサイン入りCD紛失したことへの贖罪のため?
このチープな衣装けっこう好き。あと楽器の音はカッコいいよね。
バスケのタイアップ曲。先行配信。いかにもスポーツもののタイアップっぽいガンバレ感がちょっと苦手だ…。たぶん現役で部活動やられてる方と僕みたいな糞豚おじさんとでは響き方が全然違うんだと思う。
これJazzin’ park曲なんだな。ジャピャ~ンやエビノミクスの。ふり幅すげえな。クライアントの意向にかなり忠実に仕事する人たちなのかしら。
井上雄彦の漫画でBUZZER BEATERってあったよね。なんか宇宙の。あと、みにちあ時代にちょっとだけ出てたドラマがブザービートってタイトルだったね。
2017年の春ツアーの途中からライブで歌われてた曲。今回初収録。おそらく17年2月以降のゴタゴタで世に出すタイミングを逃したのかなと当時は思ってた。
あの頃の喪失感と悲壮感がどうしても思い出されてしまう。赤と紺色の衣装が目に浮かぶ。あと柏木メガネ。
サビのユニゾンが好きです。
ライブだと安本がいつも以上に感情込めた歌い方になる。超エモい。
ももクロへの提供曲で打率の高いinvisible manners曲。マホロバ、ブラスト、デコレの人たちね。
編曲が別だからか全然印象が違いますな。
あんまりピンときませんが、ライブ終盤のまったりタイムには良いのかな。
エビ中の歌唱力に寄せた曲だわね。
これまでの曲で一番キーが高いんじゃないかなこれ。なんとなく「光年の愛」を思い出しましたよ。ついでに言うとこの曲も光年の愛も福耳っぽいなって思う。
そのままちゅうおんで使えそうなアレンジ。っていうかちゅうおんで絶対やるでしょこれ。
たむらぱん曲なのにももクロ色が強すぎてあんまりエビ中っぽくない感じがする。
印象的には俺の藤井とかでやってたスタダ全員参加のあれっぽい気がする。
ユニゾンだとももクロ強いんだなって再認識。ちょっと悔しいぞ。
シングル曲の再録(6人バージョン)。
廣田あいかの熱望が叶った形でのミセス・グリーン・アップル提供曲から廣田成分を抜いたもの。
聴き比べてないからあれだけど7人バージョンとは音もちょっと違うのかな? 以前聴いたものとは若干印象が違うような。
なんか物足りないです。今の廣田に戻ってきてほしいとは全然思わないけど。
この曲はやっぱりforever aiaiでのダブルアンコールによるラス曲としての印象がどうしても強くて、メンバーが泣きながら「今日までの/すべての日々よ」「忘れずにいたいな」「これからもずっと」なんて歌ってたの観るとどうしても7人体制最後の曲って感じがして、6人verで録り直したのがちょっと寂しい。大森元貴は廣田転校を意識せずに書いたらしいけどほんとかなー。
グループ魂×ニューロティカ。ニューロティカって久しぶり見た単語だわ。
女子力発電おじさんからの流れなのかな。今回も港カヲルが参加してます。
こういうバカっぽいのが元気あって好きだなあ。
なんとなくゼッテーアナーキーを思い出す雰囲気。小芝居もインタールードっぽくていい。MVのボラギノール感。
からあげ君ってローソンとコラボしてたっけ。サンクスが消滅したからいいのか。
「ラインのアカウント乗っ取られた~」ってもうネタにしてもいいんだね藤井。
「一文無しのアイドルです♪」←うそつくな!
いろんなしんどいことを経て今に至ってるエビ中が「元気しかない!」って歌えるのはすごくポジティブなメッセージである。
「未来しかない!」んだよね。
MUSiCのラス曲がこれで本当に良かった。
ということで全12曲でしたが、アルバム発売前に世に出ていた曲が7曲もあってちょっと新鮮味が薄いかな。
前作からいわゆるアイドルっぽい曲が減って、アーティスト志向になったって言われてはいるけど個人的にはあまりネガティブな印象はないです。
いま改めて「金八」とか聴くとギラギラしててテンション高いなあって思うけどね。この違いは楽曲をエビ中に寄せていくかエビ中が曲に寄せていくかの違いだと思うのです。
アイドルは基本的に楽曲に対してイニシアチブを取らない(取れない)立場にあって、お出しされた楽曲に対して自分たちなりに消化して歌って踊るということしか出来ない。
故に楽曲製作者の個性に染められる傾向にあるんだけれど、力のあるアイドル(歌手)の場合、それを踏まえた上で自分たちのカラーを出すことができるんだと思うのです。
そしてエビ中の楽曲は少しずつ方向性を変えてきてはいるけれど(好き嫌いはあれど)「エビ中っぽくねえな」と思うものがほとんど無い(自分の場合)ので、彼女たちのカラーが存分に出せていると感じます。
レーベルや製作スタッフの手腕によるところももちろん大きいんだろうけどね。あとファン故の贔屓目。
今回の「MUSiC」はアルバムとしてのまとまりのようなものは一切感じられなくて、雑多であることがコンセプトなのかと思わされてしまう。そしてそれが「エビ中のMUSIC」だと言うのだから、楽曲の幅の広さとそれでいて飛びすぎない(地に足のついている)バランスを提示しているのではないでしょうか。
と、割と褒め気味の感想を書いた後で本音っぽいこと言うと、1曲目の「Family complex」の出来が頭一つ抜けすぎてて、通して聴いたときの印象が薄め。これを初っ端に持ってきちゃダメだろって思うレベル。最後で盛り返したけどね。
あと、ももクロ必要だったのかなあって。ももクロ嫌いなわけではないけどね。今でもメンバーは好きだよメンバーは。そろそろいい加減ももクロの妹分て肩書も捨ててほしいところ。発展的な意味でね。
ちょっとこれまでのアルバムに比べてパンチが弱い気はするんだけれど、初見(聴?)のインパクトよりも聴き込むほうにウェイトを置く作りなのかもしれない。実際聴くたびに好きになってるし。秋に6thが控えていることを考えるとそっちも併せての評価になるのかなって気はしてる。
「あ~りこちゃんりこちゃん、見てこれ見たことない虫~」「左のポケットに~セミの抜け殻~」の2フレーズがなんかリンクしてて笑っちゃう。歌穂ちゃん大好き。
こんなところでいいでしょうかね。
やっぱレビュー書くの下手だわ俺。
ではまた。