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真夏の夜に聴け!なぜか懐かしく響くオーセンティック・スカの世界

投稿日:2015年7月16日 更新日:

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真昼のうだるような暑さは日没と共に薄れ、時折、網戸からの風がカーテンの裾を悪戯に揺らしている。湿った空気で黒く塗り潰された外の景色はしんと静まりかえっていて、足元で頼りなさげに首を振る扇風機の音だけが耳に触れている。
そんな真夏の夜にこそ、オーセンティック・スカを聴きたい。

 

オーセンティック・スカとは

オーセンティック・スカとは、1950年代にジャマイカで生まれ今日に至るまで脈々と続いてきたスカ(SKA)という音楽ジャンルの歴史において、最初期から60年代初頭までのものを指す言葉である。

「オーセンティック」とは、「本物」や「真正」といった意味である。スカは誕生以来時代や場所によって様々な形へと変化を遂げていったため、初期のスカとそれ以降のものとを区別する目的でこう呼ばれるようになった。簡単に言うと「オリジナルのスカ」ということになる。

レゲエはスカのテンポを落としていった先に生まれたものであり、その途中でロックステディと呼ばれるジャンルも誕生している。
また、ジャマイカという小さな島だけの音楽だったスカ(レゲエ)は、70年代に入って世界で広く知られ、ロックやそのサブジャンルであるパンクと融合し、2トーン・スカやネオスカといった新しいジャンルが生まれていった。

今日、単純にスカというと、ネオスカやスカコアを指すことが多く、50年も前のオリジナルなスカはあまり耳にすることがないかもしれない。だからこそ今改めてその良さを再認識しようではないかというお話なわけです。

半世紀も前に地球の裏側で鳴っていた音楽なのに、どことなく日本の夏の風景に溶け込むような情緒を感じさせるオーセンティック・スカ。
知らない世界なのに懐かしい感じがするのはどうしてだろう。

ということで、何となく気だるい夏の夜にゆったり聴きたいスカ20選です。

 

Turn To The Almighty
モコモコしたベースラインが湿った夏の空気を感じさせるのです。
リバーブがかったボーカルの声色も味です。

 

Skaramont
日本語詞が上手く乗りそうなメロディ。
なんかの歌謡曲に似てるけど思い出せない。

 

Arte Bella
トランペットのフレーズが雄弁で良い。
arte bellaの意味は「美しい芸術」?違うかしら。

 

summertime
スカにハマったきっかけがこれ。
同じバージョンが収録されてるCDあったら誰か教えてください。見つからないので。

 

Mouth A Massy
スカのボーカルってユニセックスな感じが多い気がする。
レゲエはホモフォビアが強いけど。

 

I Won’t Let You Go
ルーツであるR&Bの色が強め。
モッズが好きそうな感じしない? するよね。

 

Look Away Ska
むせび泣くような管楽器の渋さ。
don’t look away from skaじゃなくていいのかタイトル。

 

Scambalena
夜の縁日って感じがする。俺だけか。
scambalenaってどう意味なのかわからん。

 

El Bang Bang
単調な構成だけど楽器の絡み方が好き。特にピアノがいい。
エルバンバンバン、今夜決め~なきゃ~()。

 

Ringo Rides
なんと美空ひばりの「りんご追分」のカバーだったりする。
どういう経緯なのか謎である。 お婆ちゃんに聴かせてみよう。

 

Silver Dollar
アドリブなのだろうか、すごく遊んでる感じがするトランペット。
即興っぽい感じ好き。

 

Alley Pang
ドロドロした低音がすごく熱帯夜っぽいイメージ。
蒸し暑い感じ。

 

Bongo Tango
こっちは逆にカラっとした感じ。テンポが速いからかな。
こういった速度に疲れたジャマイカンは次にロックステディを求めるようになったわけです。

 

Tribute To Nehru
Nehruとはインドの初代首相ジャワハルラル・ネルーのこと。
独立運動の指導者である。ラスタファリっぽい一面が見える。

 

Country Town
真夏の夜の狸小路7丁目って感じ。オレンジ色の照明。
まあカントリー・タウン(≒田舎町)だからね。

 

Chinatown
チャイナタウンっぽいのイントロだけなんですけど。
ポランスキーの映画と関係あるのかなと思ったら時代が全然違った罠。

 

Smiling
やたらと手数の多いドラム音がなんか気持ちいいんだ.
カッツンカッツンしてる。

 

Addis Ababa
アジス・アジバではない(Zガンダム)。
アジス・アベバはエチオピアの首都名。つまりラスタファリ思想の曲なのだ。

 

Goldfinger
おそらく007goldfingerの何かなんだろうね。
うるさいスキャット?と流れを無視したようなボーカルが味です。

 

Don’t Want Your Loving
ちょっと毛色が違うかも。この緩さがなんともカリブ海って感じがするなあ。
カリビアンどっと混む。言ってみただけ。

 

 

ということでオーセンティック・スカでした。

オーセンティックを聴く上で避けて通れないのがskatalites(スカタライツ)というバンドです。スカタライツのベスト辺りから聴き始めのるのが一番わかりやすいんじゃないでしょうか。
古い音楽なのでクレジットがCDごとにバラバラだったりしてどれがスカタライツでどれが違うのかよくわかりませんが。

あとはレーベルごとに出ている編集盤など。
この辺を複数購入すると、かなりの数の曲が被ってしまうのですが、慣れてくると知らない曲あったらラッキーぐらいの気持ちで買えるようになります。
たまに全然時代の違う2トーン・スカが混じってたりもするのでアレなのだがね。

 

Apple music プレイリスト

Apple musicのプレイリストです。20曲中14曲しか無いんですがご愛嬌ということで。

 

おすすめCD

 

というかネタ元

とりあえずこれ。一番最初はスカタライツを聴いておけば間違いない。
二枚組でしかも安いのでオススメ。

三枚組。時代ごとに分けてある。1、2枚目がオーセンティック中心。3枚目は2トーン。

 

おまけ

 

とまあ、こんなもんですかね。

この良さが誰かに少しでも伝われば幸いです。

ではまた。

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