「誰がビリー・シアーズやねん」
はいどうも。ビートルズ初心者向けアルバムガイドの第三回目になります。
初心者の方の役に立ってる気は全然しませんが。
前回に引き続き、中期ビートルズのアルバムを紹介していきますね。今回は中期後篇となります。
その①→『ビートルズ1のその次に』初心者向けアルバムガイド①
その②→『ビートルズ1のその次に』初心者向けアルバムガイド②
と言いつつ、今回取り上げるアルバムはハッキリ言って初心者向きではありません。
何から聴こうが勝手だろうが!って声が聞こえてきそうですけども、少なくともベストアルバムを聴いて「他のも知りたいな~」なんて時期に聴いてもピンとこないんじゃないでしょうかね。僕はそうでしたね。僕がクソ野郎なだけかもしれませんね。
完全に好き嫌いの世界ですのであーだこーだ言ってもしょうが無いんですけどね。
そんな問題作「Sgt.Pepper’s lonely hearts club band」を取り上げたい。
Sgt.Pepper’s lonely hearts club band
8th
アルバム「Sgt.Pepper’s lonely hearts club
band」は、発表された1967年6月から翌68年2月までの間、英「ミュージック・ウィーク」誌において27週間(連続は23週)第1位を獲得した。
1967年のグラミー賞では最優秀アルバム賞ほか4部門を獲得している。
セールスは全世界で3,200万枚以上を記録しており。米「ローリング・ストーン」誌におけるオールタイムベスト500において堂々1位に輝いている。
つまりはビートルズのアルバムにおいてはもとより、全ポップミュージックの中でも最高傑作と呼ぶにふさわしい一枚であり、音楽史に残る記念碑的な存在と言える。
ビートルズが解散してから既に半世紀が経とうとしている現代にあってもその名声が轟いているのは、本作の存在によるところが大きいのである。
とまあ、こんな煽り方をされればそりゃあ聴いてみたくもなりますわな。
数字的なもので見れば、ビートルズのキャリアの中でもその存在がとりわけ大きなものであることは確かなのです。
しかし、今このアルバムを聴いて、1967年当時にリスナーが受けた衝撃というものを同じように感じることは非常に難しいのではないでしょうか。
確かにコンセプトやデザインワークは面白いし、楽曲の完成度も決して低くは無い。だけど「そんなに凄いか?」と感じてしまう可能性があるのだ。
上で述べたように、記録の面で突出し過ぎているということが必要以上に期待を持たせることに繋がってしまっている。
このギャップの最大の理由はおそらく、本作が評価された点として挙げられる「革新性」にあるのだと思います。
当時の状況としては他に類を見ない斬新な存在であったものの、時を経るにつれ、その「革新的」な部分は普遍化してしまい、さほど刺激を感じなくなってしまう。コンセプトアルバムというもの自体、この後雨後のタケノコの如くボコボコと生まれたわけですし。
こうして後に残ったのは楽曲本来の価値という本質的な部分なんだけども、楽曲に関してはとりたてて他のアルバムより優れているというわけでもない(素晴らしいものであることは確かですが。)
結果「どこが凄いのかよくわかんない」になってしまうわけです。
こういうのは60年代70年代のいわゆる「名盤」巡りをしているとよく出会うことなんじゃないですかね。
僕はThe whoでもベストアルバムの次に「Who’s next」を聴くということやってしまったわけです。学習しませんね。
と、ネガティブな入り方をしてしまって申し訳ないのですが中身を見ていきましょうかね。
こ
れまでRubber
soul(6th)、Revolver(7th)と音楽性を変化させ続けてきたビートルズが、4ヶ月以上もの時間を要して作り上げた大作であり、中期ビー
トルズのテーマである「実験的要素」の集大成となる一枚である。ちなみに1st「Please please
me」の製作時間は1日(シングルを除くと10時間)である。
「コンセプトアルバム」という概念の提示をおこなったことで高く評価されて
いるが、収録されている楽曲自体にはそれほど統一感が無い。しかしコンセプトが「架空のバンドが行うショー」という大雑把なものであるため、なんとなくま
とまっている様にも映る。実質的にはM12がM1のリプライズであったり、曲間が繋がっているという程度の造りであり、一つのテーマに沿って楽曲が作られ
ているとは感じさせない。
好意的に解釈するならば、楽曲ごとに様々な立場の人間を登場させ、その人間模様を描いている様にも見える。だからアンコールに位置するラスト曲が「人生のとある一日」なのかもしれない。強引かな。
大事なのはデザインワークを含むトータルな造りであるという点。それだけでも非常に斬新なものだったのだろう。
「Sgt.~」が面白いのは、その収録曲のバラバラさ加減にあると思う。
ジョ
ン曲とポール曲とで、まるで向いている方向が違う。それでいて中には合作もあったり、インドに目覚めたジョージがいたりと良く言えばバラエティに富んでい
る。それを原色ギラギラのサイケデリックカラーで塗りたくって纏めているという力技な感じが何とも良いです(誉めてるよ)。
ジョン曲は「Lucy
in the Sky with Diamond」や「~Mr, kite」、「Good
morning~」など前作に続きサイケデリックな雰囲気。ポール曲は「She’s leaving home」や「Lovely
Rita」など、なんだか物語性を帯びている感じ。今作はポール曲の割合が高い。
そしてこのアルバムが大傑作になっている大きな理由の一つに「A day in the life」がある。
人生のとある一日と題されたこの曲は、語りかける口調で日常をシニカルな視点で切り取った幾つかの場面が歌われる。
アレンジが素晴らしく、輪郭が不鮮明な白昼夢の様な陶酔感とサイケデリックな恐怖感を同時に感じさせるなんとも1967年の夏を象徴する楽曲だと思う。
この曲の為だけにアルバムを買っても後悔はしない(俺は)。
とまあグダグダ書いたんですけど、ある程度ビートルズに触れてから、抜けた穴を埋める様に手を出した方がいいと思いますね。前後の文脈を理解した上で聴いた方が良いかと。あくまで私見ですが。
もう一枚紹介するつもりだったけど長いからまた次で。
では。