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『ビートルズ1のその次に』初心者向けアルバムガイド①

投稿日:2015年11月26日 更新日:

 「どれから聴けばいいの?」


beatles-lps

去る11月6日に全世界同時発売されたビートルズのべストアルバム「Beatles 1」。
ビートルズの入門盤としてだけでなく、60年代ロックおよびポップミュージックの入口としても最適な一枚ではないでしょうか。
今回はBeatles 1でビートルズに興味を持った初心者の方々に、次に聴くべきアルバムを独断と偏見で紹介したい。と言いつつ個人的に好きなアルバムについて語る企画。


そもそもBeatles 1とは




ビートルズのシングル曲のうち、ヒットチャートで一位を獲ったものだけを集めた企画編集盤とのこと。しかしイギリス、アメリカのそれぞれのチャートのどちらかで一位を獲得していることが選定基準であるため、結果的にほとんどのシングルを収録しているのである。

ビートルズのオリジナルシングルは22枚。うち4枚は両A面のため、チャートに反映されるものは26曲となる。これにアメリカのみで発売されたシ
ングル「Eight days a week」「The long and winding
road」の2曲を足して全28曲。このうち27曲が「Beatles1」に収録されている。漏れているのは2ndシングル「Please please
me」のみとなる。

どうせなら全部入れればよかったのではと思ってしまうのだが、収録時間が約80分と通常のCDの容量を限界まで目いっぱい使っているので無理なのだろうね。

ちなみにイギリスのみのチャートで選定すると17枚19曲となる。これだとちょっと物足りない感があるかもしれない。

唯一収録されていないシングル曲「Please please me」 チャート最高2位

今回発売された「Beatles
1」の音源はジャイルズ・マーティンによってリミックスされたものである。ジャイルズはビートルズのプロデューサーであるジョージ・マーティンの息子であ
り、1996年以降幾度となくビートルズの楽曲に深くかかわっている人物。だそうです。

今作は、2000年に発売されたオリジナル盤、2011年に発売されたリマスター盤に続き3枚目の「Beatles 1」となる。

音の違いは完全に好みの問題なので、以前発売された盤を持っているなら、よっぽどの「ビートルマニア」でない限り積極的に購入する必要はないんじゃないかな。

なんて人が多そうだからか違うのか、今回はやたらとオマケが付いております。

販売形態は7種!

簡単に分けると、

・CDのみ

・CD+DVD(BD)

・DVD(BD)のみ

の3種(5種)に初回限定やらデラックス版やら色々です。amazonで見てみよう。

今回の「本編」はおまけであるDVD(BD)の方なんでしょうけどもね。


次になにを聴く?

「Beatles 1」のトラックは発売順に曲が並んでいるので、単純に好きな楽曲と同時期のアルバムに手を出すのがベターだと思うわけです。

大雑把に分けると、ビートルズは初期、中期、後期と三つの時代に分類されることが多い。

必ずしも一致しないが、メンバーのファッションと音楽性の変化はリンクしているのでこれも一つの指標になる。

まとめるとこんな感じ。

時代区分 ファッション 音楽的特徴
初期

1962~65年頃

・マッシュルームカット

・スーツ

・規定のスタイル

・基本的にギター、ベース、ドラムで構成される(ライブ演奏できる)形式。

・シンプルなロックンロール、R&B。

・詩も複雑なものではない。

・3分間のポップミュージックの時代。

中期

1966~67年頃

・メンバー不揃いのスタイル

・カラフル軍服(ペパー)

・かなりの長髪

・伸ばしたヒゲ

・丸メガネ(ジョン)

・ライブ演奏を念頭に置かない実験的な音づくり。テープの逆再生やループ、重ね録り等。

・ドラッグの使用によるサイケデリックな世界観や東洋哲学(インド)の影響下にある難解な詩。

・アルバム単位での作品。

後期

1968~1970年

・グループとしてのまとまりが希薄で、メンバー各々のスタイルが強調される。

・ジャンルレス

・ストリングスやピアノが使用される。

これをビートルズ1の収録曲に当てはめるとこんな感じ。

曲タイトル 区分 同時期のアルバム(製作順)
1 Love Me Do 初期 Please Please Me

With The Beatles

A Hard Day’s Night

Beatles For Sale

Help!

2 From Me to You
3 She Loves You
4 I Want to Hold Your Hand
5 Can’t Buy Me Love
6 A Hard Day’s Night
7 I Feel Fine
8 Eight Days A Week
9 Ticket to Ride
10 Help
11 Yesterday
12 Day Tripper 中期 Rubber Soul

Revolver

Sgt.Pepper’s Lonely Hearts Club Band

Magical Mystery Tour

Yellow Submarine

13 We Can Work It Out
14 Paperback Writer
15 Yellow Submarine
16 Eleanor Rigby
17 Penny Lane
18 All You Need Is Love
19 Hello Goodbye
20 Lady Madonna 後期 The Beatles(ホワイト)

Let It Be

Abbey Road

21 Hey Jude
22 Get Back
23 Ballad of John and Yoko
24 Something
25 Come Together
26 Let It Be
27 The Long and Winding Road

大体あってる。はず。

この区分けの仕方は賛否あると思います。特に初期と中期の境目なんかは曖昧なところがあるので。「Help!」と「Rubber soul」のあたりは難しいですね。
そもそもこんな分け方はおかしい!なんて方もいると思いますが、とりあえずこれで進めたいと思います。「Yellow submarine」は収録曲が製作された時期を考えてこの場所に置きますね。

参考イメージ

・初期

しょきかわいこぶりっこ

・中期


中期
個性(本性)を出し始める

・後期


後期
やさぐれお兄さん

で、本題です。

まず初期のヤーヤーでイェーイェーな感じが好きだという方へ。

With the Beatles(1963)

ザ・ビートルズ
ユニバーサルミュージック
2013-11-06




2ndアルバムです。とりあえず最初である1stとよく名盤扱いされる3rdに挟まれた地味な存在ですが、この頃ならこれが一番好きですね。

前作からわずか4ヶ月というショートスパンでつくられたもので14曲中6曲がカバー曲。カバーがどれもいいんだよね。シングルは収録されていない。

掴みがバッチリなM1「It won’t be long」、美メロな名曲M3「All my loving」、ローリングストーンズに提供したM11「I wanna be your man」、カバー曲ではM7、M8、M14あたりが聴きどころでしょうか。

ジャケット写真も含め、最も「黒い」印象を受けるアルバム。モータウンR&Bのカバーがいい感じ。


A hard day’s night(1964)

ザ・ビートルズ
ユニバーサル ミュージック
2014-06-25




続く3rdアルバム。全曲レノン=マッカートニーによる楽曲でカバー曲は無し。当時公開された映画と同タイトルである。邦題はかの有名な「ビートルズがやってくる ヤァ!ヤァ!ヤァ!」(水野晴郎命名)実際にビートルズが日本にやってきたのは2年後でしたが。

シングルを2曲含む(M1とM7)全13曲構成である。

個人的にはM4「I’m happy~」、M8「Any time at all」、M11「When I get home」あたりが好みです。

前作までと同様のコンセプトであり、まだ大きな変化は見られない。M1「A hard day’s night」で詩世界に私的な要素が入っている点がこれ以降の変化の萌芽とも言える。


ちなみにこの3枚目から日本でも本国イギリスと同様の形態でアルバムがリリースされるようになる。1964年当時、日本で手に入る1stと2nd
は日本独自に編集されたものだったのだ。邦題つくのがここから5th「Help!」までなのはこういう理由。日本盤1st、2ndは中古レコード屋にいけ
ば結構な確率で見つかりますね。

あと、この3枚目は当時でも内容は本国オリジナルと同じなんだけど、日本盤はジャケット写真が独自のものを使っていて、個人的にはこっちのほうがかっこいいです。


japan_a_hard_days_night_lp

これも探せば見つかりますね。僕が持ってるのは画像の「オデオン盤」ではなく後に出た「アップル盤」ですがね。

ちょっと長くなってしまったので続きは次回。ではまた。

次→『ビートルズ1のその次に』初心者向けアルバムガイド②

ザ・ビートルズ
ユニバーサルミュージック
2015-11-06




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