ハイスコアガール 未収録分
前回でも触れたが、大人の事情によりハイスコアガールの6巻は当分の間(場合によっては永遠に)発売されない。→発売決定しました!詳細は一番下に。
しかし、6巻分に相当する180ページほどの雑誌掲載分はあるので、これを簡単にまとめてみる。
34~35話
5巻ラストから続き、ハルオと小春の格ゲー勝負が始まる。一本目の「真サム」は夜ゲーの特訓による対策が功を成し小春の圧勝となる。しかしニコタマ(フェリシア使い)はその対戦に妙な違和感を覚え、ハルオにあって小春に欠けているものを感じ取る。
二本目「KOF95」。相手の意表を突き、隠しキャラを選択する小春。しかし強キャラに頼った戦法が裏目に出て、ハルオの逆転勝ちとなる。勝利への執念で闘う小春と、純粋にゲームを楽しむハルオがそこにいた。
一勝一敗となり、勝負は三本目の「ヴァンパイアハンター」に持ち越される。作者の思い入れが強いためかかなりマニアックな描写が連続する。ハルオビシャモンVS小春フォボス。それぞれの想いを胸に秘め、高度な技術が繰り出すレベルの高い攻防の果て、フォボスの小足を見てからのガーキャンEX技(すんごい難しいことだと思えばいい。「小足見てから昇竜余裕でした」ネタ?)によってハルオの勝利となる。
対戦後のハルオの言葉により、結局大野のことしか考えてないことや対戦内容に納得がいかないこと(舐めプレイ疑惑)、負けたことに対する悔しさから小春は負けを認めず、「もう二勝しないと勝ちとは言わせない」と暴れる。
業田萌美によって更に厳しさを増す大野家の教育。その苛酷な状況の中、大野晶(あきら)は体調を崩し寝込んでしまう。病床の妹への憐れみと多少の後ろめたさと興味本位からハルオとの接触を試みる姉の真(まこと)。真の提案で、晶の気力回復のためにクレーンゲームの景品をプレゼントすることになりプレイする二人。別れ際に真は「女ごころを勉強するように」とPS版「ときめきメモリアル」をハルオに渡す。
とりあえず自宅で「ときメモ」をプレイするハルオ。なし崩し的に母、真、小春をギャラリーに迎えたプレイ環境となり、女心に鈍感なハルオはギャラリーの三名から執拗に弄られる。
ギャルゲーの選択肢ミスを母親に責められる・・・
女三人それぞれの思惑に頭を悩ませるハルオであった。
妹の為に何か特別なプレゼントは無いかとハルオに持ちかける真。ハルオは「RPGツクール」でオリジナルのゲームを製作し、晶へ渡すことを提案する。ハルオは、晶に楽しんでもらいたい一心で寝る間も惜しまず「おおのけクエスト」を製作する。ハルオはゲーム作りの大変さを知るのだった。
たまにはマトモなことも言う真
一月かけて作られた「おおのけクエスト」は無事に晶の元へと届き、業田萌美の目を盗んでプレイする日々を重ねる。
主人公「おおの」が経験を積み「モエミ」を倒す
ゲーム内に込められたハルオのメッセージに心が和らいでいく晶であった。しかし、隠れてゲームをしていることを業田に悟られ、「おおのけクエスト」はスーファミ本体ごと処分されてしまう。そのことを告げられた晶は、ハルオの気持ちを踏みにじるような行為に激怒する。
無言に怒りを込めて晶は屋敷を飛び出す
晶は前回の遺恨から業田の授業を受けるものの彼女を無視するようになる。そのことについて真とじいやから苦言を呈される業田。
正論ですが、半分はあなたのせいです
自分の教育方針の正しさに対し揺らぎを感じ始める彼女は、アルバイト中のハルオの元を訪ねる。処分したゲーム類はハルオの持ち物であることから、そのことを詫び、弁償する。しかし渡されたのはツインファミコンとジーコサッカーだった・・・。
「SM〇教師・瞳」ではない
ハルオとの会話から、彼に対する認識を改め、そして上から押さえつけるだけの教育が間違っていることに気付くのであった。
大規模な新作ゲームの展示イベント「AOUショー」に出向くハルオ親子。ハルオは晶とのことを考えて二枚買ったチケットだったが、結局晶とは連絡がつかず母を誘ったのだ。しかしその道中で晶と出くわし、二人で行くこととなる。晶の外出は業田の計らいによるものだった。
会場へと向かう満員電車の中で、ブレーキの振動でよろめき触れ合う二人。その手は固く結ばれていた。
幕張で開かれるAOUショーの会場に到着する二人。「ソウルエッジ」や「ファイティングバイパース」などの新作ゲームをプレイする。相変わらず飲み込みの早い晶に対し、久しぶりに対抗心を燃やすハルオ。ゲームに対する意識が互いに昔から変わらない事に喜びを覚えるのだった。
イベントを満喫した二人は食事へと向かう。とりとめの無いゲーム話をしながらも、不意に互いが男女であることを意識してしまったハルオは「ときメモ」を思い出す。
帰りの電車にてイベントの戦利品を確認するうちに「今までで嬉しかった景品」の話になり、ハルオは実用的だったミニ扇風機を挙げるが、晶は胸のペンダントを取り出して見せる。それは小六の時、ハルオが晶に渡した「ゲームセンターがしゃどくろ」の景品の指輪であった。
二人は良いムードの中、車窓から舞浜の花火を見る。そして今度二人でここに来ようと約束する。
大野家の前まで晶を送ったハルオ。家の前で晶は「まだ帰りたくない」といった思いつめた表情をする。察したハルオは頭の中に「ときメモ」めいた三つの選択肢が浮かぶ。
「家でゲームすっから俺帰るわ。」
「モエミさんが心配するから帰れ。」
「今夜はお前を帰さない。」
意を決したハルオは晶に告げる。
「今夜は―」
ドガァ
その瞬間後方から来た車に跳ね飛ばされるハルオ。
帰りを心配したじいやの車だった。この展開に妙な懐かしさを覚えるハルオとじいやであった。
一周まわって以降休載・・・☆
前半のマニアックなゲームネタ、中盤の真無双、後半の高濃度ラブコメと密度が高く読み応えがある。これが出版されないなんて勿体なさ過ぎる。何とかならないのだろうかね。
気が付くと(遅いが)可愛い女の子だらけである。ハーレム系ギャルゲーの王道を行く展開になっているが嫌悪感がさほど無いのはハルオに嫌みがないからだろう。ついには萌美先生すら落としてしまったのだが。
ハルオは、「ピコピコ少年」で高校生の押切君がハマってたと語る「To Heart」の浩之のような位置にある。そう見るとハルオというキャラクターの歩んだ道は、押切少年の実体験から始まり、途中からは高校生の時分に押切君が理想としていた学生生活へと自然にシフトしていったような印象を受ける。そういえば高校入学あたりから劣等生という単語が出なくなった気がする。
この漫画にはマトモな大人の男が一切出てこない。母親がゲームに寛容であり若くて可愛い。など、どうしても「ピコピコ少年」や「猫背を伸ばして」等で語られる押切蓮介(神埼良太)のリアルな体験からの影響や比較に目が行ってしまう。モブに自分を模したキャラを置くことでこれを否定しているポーズをとるが、それが却って彼の夢想性を雄弁に物語っているように思える。
ハルオは必死に稼いだバイト代の半分を家に入れ、残りの半分を上手くやりくりしてゲームに使ったという美談があったが、ハルオの家は特別家計が厳しいなんて設定は無かったような気がする。父が不在なのも母子家庭ではなく、単身赴任という話だったはずだが。
父が蒸発したために厳しい経済状況に置かれ、母を支えるためにバイトをしていた神崎君とごっちゃになってるような気がするが・・・。はて。
まあ、そんなことはどうでもいいんだけども。
真がすごく可愛くて良かったです。
続き読みたいなあ。
ようやくスクエニとSNKプレイモアが和解した模様。
連載再開が待ち遠しいですね。
ついに連載再開が発表されました。
「ハイスコアガール」連載再開・コミックス発売決定のお知らせ | ビッグガンガン
7月25日発売のビッグガンガンから連載再開されるようです。
単行本第6巻も同日発売とのこと。
さらには、1巻から5巻までのリニューアル版が出るとのことです。
リニューアル版・・・?
作中のゲームが架空のタイトルになってたりするんだろうか・・・。
「ストリートファイヤーⅡ」みたいな
気になる・・・。
押切蓮介こと神埼良太の実母(変な髪形でテレビ見て笑ってるおばさん)の少女時代を描いた青春グラフィティです。
大体実話らしい。
面白かったのでおすすめ。