三匹の侍 1964年松竹
たまには古い映画でも。
こういった古い時代劇映画は守備範囲外なので知識が全然無く、突っ込んだ話が出来ないのですが、その分だけ自分の目には新鮮に映ったのでした。
これ滅茶苦茶カッコいいんだよ。ストーリーはまあベタな感じで、農民と領主のいざこざに浪人が割って入って助けるっていう感じなんだけども、殺陣の魅せ方がいいし、何といってもキャラクターが最高に魅力的だ。
柴左近(画像中央) 丹波哲郎
主人公。義理硬くストレートな男。宿を求めてふらっと立ち寄った村で代官の娘誘拐事件に出くわしてしまい、その後の成り行きを見守ることから事件に巻き込まれていく。良くも悪くも真っ直ぐな男であり、自己犠牲精神が強め。世話焼き気質。
とにかくオーラが半端無い。丹波哲郎って変なメガネかけた霊界おじさんって印象しかなかったんだけど、存在感が圧倒的で滅茶苦茶カッコいい。
桜京十郎(画像右) 長門勇
岡山弁を話す芋侍。食うに困らないという理由で代官屋敷の牢に入っていたが、代官の命を受けて百姓討伐へと参加する。百姓が誘拐事件を起こした理由を知るとあっさり百姓側についてしまう。情にもろい性格。その性格から後半決断を迫られる場面があるが、結末は何とも切ない。
一見とぼけたキャラクターだか槍の名手であり、敵の囲いを一蹴するかなりの強キャラである。こういうのいいなあ。
桔梗鋭之介(画像左) 平幹二郎
ニヒルな二枚目。飄々とした性格で女好き。刀は背中に背負う派。代官屋敷で居候をしているため、柴らと対立する立場にあったが、代官の裏切りにより襲撃で愛人を亡くし、柴らに合流する。損得勘定で動く非情さを持っていると嘯くも、柴の人柄に惹かれたと告白する。
桔梗「お主が好きだ…」柴「馬鹿…///」←なんだこれは…たまげたなあ…。男どうしの友情いいよね…。
本作は1963年~69年まで6シーズンに渡って放映された人気テレビ時代劇の劇場版。第1シーズンの第一話をベースにしている。殺陣やカメラワーク、斬撃にSEを当てるなどの新しい演出で人気を博した。らしい。
白黒映画なので、慣れない身としてはどうにも見づらいのだが、観ているうちにどんどん引き込まれていく。余計な背景を持たない純粋なエンタテイメント作品として一級品だと思う。劇場版がこれ一本しかないのがちょっと惜しいなあ。テレビシリーズを追いかけるのはしんどいし。
昭和39年というと東京オリンピックの年だし、すんごい昔の映画の様な気がしてしまうのだけど、イージーライダーやウッドストックと5年も違わないんだなと思えばそうでも無かったり。何とも不思議な気分です。